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となりの神さま~243人目~
手直しして使い切ること

花っこクラブで使わせていただいている温室の寒冷紗やビニールが
10年経った頃から、あちこち破れはじめました。
白い寒冷紗は垂れ下がり、温室の中はまるでお化け屋敷の様
外のビニールは一旦破れはじめると、風に煽られてどんどん傷みます。
暖かい季節には、「風通しがいいね」なんて笑っていられても、
冬が近づくにつれて、「今年の冬の花っこクラブはどこで活動しようか」と
暖かい居場所を探し始めます。
それは、図書館だったり、商店街のオープンスペースだったり...
数年前から、修繕費を市の予算に組み込んでもらえないか、
温泉も動いてくれてはいますが、現状は変わりません。
業者さんの見積もりでは、100万円かかるそうです。
去年は、ワークまほろばさんが、どこかで調達してくれたビニールで
リュックさんが一面張り替えてくれて、少し寒さをしのぐことができました。
でも、今年は、いよいよ広い側面の4分の3くらいが大きく開いてしまいました。
寒さも加わり、何だかみすぼらしい寒々とした光景になってきていました。
「ビニールを調達できたら、またリュックさんに張ってもらえるかな」と
ワークまほろばの大菅さんはつぶやきます。
そして、今年は、業者さんから新品のビニールを購入してくれました。
先日、雪まじりの突風が吹く中、リュックと大菅さんと遥子ちゃんの3人で、
高い高い梯子を使って張り替えてくれました。
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その日は、ちょうど花っこクラブの日でもありました。
私は、突風にあおられて梯子から落ちたらどうしよう、ともう気が気ではありません。
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そして、新しいビニールの面積が増えるにつれて、
温室の中の空気がどんどん暖かくなって行きます。
張り替え終えてすっかり穴がふさがった時の温室で、私たちの心もポカポカでした。
一緒にお茶を飲みながら、「誰かお礼の言葉を言いましょうか」と誘うと、悟史君が手を挙げます。「今日は、お寒い中僕たちのためにビニールの張り替えをしてくれて本当にありがとうございました」
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自分の身体が使えること
自分の手が使えること
とても大事なことだな、と思いました。
お金で解決することは簡単だけれど、
お金がないからできない、になりがちだけれど、
修理しながら、しかもあまりお金をかけないで使い切る、という気持ちを
私たちは、リュックさんからいつも学ばせてもらっているのです。

そっとリュックさんに近づき手を握る愛ちゃんに、リュックさんの表情も和らいで
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# by ST-G | 2011-11-30 12:27
となりの神さま~242人目~
希望の花

高田小学校にドイツの子どもたちの思いと行動をお届けした後
金さんに案内されてまちの中に出てみました
本当に何も残っていないのです
家もお店も会社も公共の建物も、何もかも流されたのです
「がれき」は、ようやく分別されてまとめられてはいましたが
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「がれきと一口で言っても、それは私たちの家、私たちの持ちものの一部なんですよね」と、
金さんはつぶやきます
現在の仮設陸前高田市役所
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震災前の市役所
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海岸沿いは地盤沈下のために、海がすぐそこまで来ています
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恐くてなかなか海岸の近くまで行かれない、という住民の方の声を聞いて
そこに花を植えることで少しでも安心していただければ、と設けられた花壇
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130人もの人たちが力を合わせて
たくさんのビオラとチューリップの球根が植えられました
被災地を花で元気にしたい、と発足した活動「岩手希望の花」(代表吉池泉)が
全国に呼びかけて多くの支援を得、地元の方々と一緒に植えました
予定していた花壇を植え終わっても、「もっと植えたい」と
今度は地元の方々が率先して、俄かに土と縁石を運び込んで花壇を作り続けたそうです
# by ST-G | 2011-11-26 18:17
となりの神さま~241人目~
日本の子どもたちのために走るドイツの子どもたち

陽子さんは、ドイツ人の旦那さんとドイツに暮らして30年
ふたりのお孫さんが通う小学校の子どもたちは
震災に遭った子どもたちの力になりたい!
そのために何ができるだろうか、と話し合った
「スポンサーラン」を思いついた
デユッセルドルフにあるベンラート城小学校での話である
お城の周りを走って、走った分だけお金を集める、というのが
「スポンサーラン」の仕組み
園芸療法の視察でイギリスに研修に行った時
福祉施設の活動資金集めに、こうしたチャリティランニングの話を聞いたことがある

かくして、1年生から4年生まで(ドイツでは、5年生からは高校まで一貫となる教育システムの中に組み込まれる)の子どもたち70人が、5月27日の放課後走ることになった
お城の池の周り1周約650m
1周走ると2ユーロと決め、子どもたちはスポンサーを探した
大半は、おじいちゃんとかおばあちゃん、そしてご両親だそうである
「スポンサーラン」の当日は雨模様
にもかかわらず、多くのスポンサーが応援にかけつけた
いちお1時間半という制限時間を設け、子どもたちは一斉に走り始めた
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制限時間を目いっぱい走った子
自分の体力以上に倒れるまで走った子

一周一周を数える担任の先生たち
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このままではこちらの財布が危うい、と、スポンサーが心配するほど
子どもたちは頑張った
お腹も空いたよね
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そして、4000ユーロ集めた

さて、どこに寄付しようか
大きな組織ではなく、顔の見える団体に直接渡したい、と子どもたち?教師?は思った

大会後の誇らしげな子どもたち
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そこで、日本につてのある陽子さんに白羽の矢があたる
陽子さんは、大学時代の友人に話を持ちかける
その友人が、東京に住む私の友人川津さんであった

子どもたちが精一杯身体を張って集めたお金
大切に子どもたちの「走り」を伝えたいと思った
そして、陸前高田へとつながった
陸前高田へと導いてくれたのは、「一本松」だった
7万本あったとされる松の中で唯一津波に流されずに生き残ったあの一本松
復興のシンボルとして、まちの人たちの希望を一身に受けとめたあの一本松
この一本松の再生に関わった弟の紹介で
陸前高田の教育委員会の金さんとつながることができたのである
しかも、金さんは東和町の教育委員会にも3年在職された方だった
私が東和町に移り住んだ時期と重なる部分があって
始めて会った気がしない方だった

そして、陽子さんの一時帰国に合わせて、私たちは陸前高田を訪れることにしたのである
.....続く.....
# by ST-G | 2011-11-22 21:13
となりの神さま~240人目~
いのちの約束

「今?今がいいですか?」
下校時の小学校の校庭で、5年生くらいの女の子の集団
用事を済ませて帰ろうとする私に投げかけられた唐突な質問
「???」
「今日と明日、どっちがいいですか?」と言い換えるその子
「今日がいい」と答える私
「そうですよねえ。今日ですよねえ」とその子
そして、傍らの子に「やっぱ、ほら今日だよ、今日!」
ピンと来るものがあった
「告白でもするの?」と私
図星だった
「告白するなら今だ」とその子はしきりに友達を説得していたらしい
そこに、私が通りかかった、という訳

カメラを向けると、さあっと周りから子どもたちが寄って来て
思いっきりの笑顔を見せてくれる
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ひとりの男の子も唐突だった
「石けってた。ブアーンと大きく飛んでった」と
石が飛んで行ったであろう方向を指さして
どれだけ大きく飛んだか、何度も何度も教えてくれた

ここは、陸前高田市立高田小学校
震災前は、街の建物の影に隠れていた海が
今では、露わに見渡せるようになってしまった高台の学校のグランドで
子どもたちは元気に遊んでいる
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笑いかける子どもたちの目は澄んでいた
あちらからも、こちらからも「こんにちは」と挨拶してくれる

「子どもたちは一生拭いきれない傷を負ってしまいました。
今までは、子どもたちにとって楽しいこと、楽しいこと、と思ってやってきましたが、
これからは、少しずつこうした傷と向き合わなければならない、と思っています」
と、校長先生は静かに語っていらした

「校長室に行ってもいい?」と聞く子どもたちに向けられる校長先生のまなざしは優しい
(先生のご自宅も流されてしまった)
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深い悲しみ、不安、恐怖、痛みを抱えながらも
いのちは生きようとしている、と感じた
いのちは前へ前へ進もうとしている、と感じた
それが「いのちの約束」なのだろうか

私と高田小学校をつないでくれたのは、ドイツの子どもたちだった
...続く...
# by ST-G | 2011-11-21 20:01
となりの神さま~239人目~
みなぎる感性

今年も埼玉県立杉戸農業高校に行ってきました
園芸科一年生の生徒さんたちに、1コマ目は園芸療法の講義
2コマ目は、生徒さんたちが自分で作った押し花や押し葉を使った
ランチョンマット作りをしました
講義の中で、先月の花っこクラブの種の額絵作りの様子と
それぞれの作品に題名をつけてもらったお話しさせていただきました
「これは面白いかも!」と担任の中田先生が思ってくださって
その後のランチョンマット作りにさっそく「題名つけ」を取り入れてくださいました
楽しそうに取り組む生徒さんたち
驚くようなデザイン力を発揮する子
緻密な職人芸を披露する子
自分なりの物語を秘めた作品を作る子、などなど
私も先生たちも、普段あまり触れる機会のない生徒さんたちの感性に
新鮮な驚きと喜びを感じたものです
先生からは、今回の「授業は一人一人の生徒に目を向け、コミュニケーションや能力を引き出す力があります。教員の視点からでも大変勉強になるものでした」という感想をいただき、
生徒さんの感想の中に、「面白い」や「楽しかった」というものの他に、「型にはまった授業ではなく、自由にできるところが自分に合っていた」という感想もいただき、また来年が楽しみになってしまいました。

授業終了のチャイムがなっても作品作りが続きます
樹の葉の間を縫うように落ち葉が舞う作品が秋らしい
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はあ~い!どんなもんだい!
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# by ST-G | 2011-11-18 19:30



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